こんにちは。副院長の真由美です。
今回はカフェインについて考えてみました。今年の異常な暑さ いや 年々暑くなってきている夏を乗り越えるために熱中症対策として 水分の摂取が呼びかけられています。特に体温調節機能の未発達な幼児にはこまめな水分補給は欠かせません。その際 問題となるのが糖分とカフェインです。
アサヒ飲料が行った調査では 子供の3人に1人がカフェイン入りの飲み物を日常的に口にしている という結果です。母親が飲ませているカフェイン飲料は緑茶(煎茶)が最も多く ほうじ茶 ココア コーラと続きます。緑茶はカテキンなど健康効果が広く知られていますし、日本人にとって生活に根付いているものです。
日本には摂取基準がありませんがカナダでは4~6歳のカフェイン摂取目安を一日あたり45mg未満とすることを推奨しています。45mg以上のグループでは「夜中に目を覚ます」や「だるそうに見える」という割合が高くなるそうです。
飲み物に含まれるカフェイン量 (mg/100ml)
玉露 160 煎茶 20
コーヒー 60 ほうじ茶 20
紅茶 30 玄米茶 10
ウーロン茶 20 麦茶 0
緑茶350mlのペットボトル1本には70mgのカフェインが含まれていることになります。ちょっとお得感のある500mlのペットボトルならば100mgのカフェインを摂取することになってしまいます。
カフェインを採り過ぎるとどうなるのでしょう。脳の発育は6歳までに大部分が完了しますが その脳を刺激するカフェインは思考力や社会性、人格といった精神機能をつかさどる前頭前野の発育に影響を与える可能性があると言われています。
中枢神経系を刺激して眠気を抑えたり集中力を高める効果のカフェインは、肉体や知的活動で低下したパフォーマンスを元に戻すことを目的に使われるものですが、子供は疲れたら眠って回復する事ができます。ですからカフェインは必要ないのです。少し前にカフェインの大量摂取による死亡例がありましたが、最近は大量のカフェインを添加したエナジードリンクやサプリメントが出回っていて簡単に手に入れることができるのですが、その危険性にも気を付けて頂きたいと思います。昔から夏は麦茶というのが定番ですが、麦茶はとても理にかなった飲み物です。カフェインが入っていないし、量は多くはありませんが、カリウム リン ナトリウム カルシウム 亜鉛 などのミネラル成分を含んでいます。また、あの香ばしい香りの成分には アルクルピラジンという物質が含まれていて、血行促進効果があると言われています。
簡単な水出しでも美味しいのですが、これらの成分をより抽出するには熱湯を注いで30分ほど置いておくとよいようです。それ以上置くと、苦みやえぐみが出てしまうので気を付けてください。私は半量のお湯で30分おき、パックを取り出して氷をざらざらっと入れて冷たくします。暑い時はなかなか冷えないですものね。
運動後の水分補給にもとても良いので部活を頑張っている中高生にもお勧めですよ。